プロジェクトレポート 2011九州旅客鉄道 安全創造館

過去の鉄道事故の教訓を活かし、これからの安全を創造する研修施設

JR九州の重大事故を表現した空間
JR九州の重大事故を表現した空間
近年発生した故障部品の現物
近年発生した故障部品の現物
指差確認の重要性を体験できる装置
指差確認の重要性を体験できる装置
  • JR九州の重大事故を表現した空間
  • 近年発生した故障部品の現物
  • 指差確認の重要性を体験できる装置

プロジェクトの狙い・課題

■過去の重大事故の教訓を風化させず、お客さまや社員の安全のために行動できる社員を育成する。

■社員の安全意識を高める研修施設をめざし、最も効果の高い教育手法を追求する。

取り組みの視点・解決策

■過去の重大事故の報道映像や資料を通し、講師と受講者がともに考えながら答を導くファシリテーション方式を導入。

■展示内容にとどまらず、講師の教え方や研修プログラムをトータルに提案。

過去の重大事故を教訓に、安全を創造する人材を育てる。

過去の事故を風化させずに繰り返し思い出し、今後の教訓として活かすために、JR九州が2011年1月に開設した社員研修施設が「安全創造館」です。過去の重大事故の教訓に基づき、基本動作や安全対策の意味を理解し、お客さまや社員の安全のために行動できる社員の育成をミッションとしています。 本施設は、JR九州の過去の重大事故を中心とした報道映像や新聞記事、事故原因を解説したパネル、ヒューマンエラーの体験、近年の故障部品の現物などを展示しています。研修の6つのステップに合わせて展示を構成し、導入の映像からまとめの映像にいたるまで一連のストーリーを展開。研修を受ける社員の記憶に強く印象づけることに重点を置いています。特に導入映像は、暗闇と音響効果を組み合わせて事故のインパクトを実感してもらい、まとめ映像は希望あふれるドキュメントとすることで、研修者自身の自覚と誇りを感じてもらうように工夫しています。 また、研修施設という特性上、黒と赤をキーカラーにすることで緊張感を保ち、学習効果を高める空間を意図しました。

講師の教え方を含む、研修プログラム全体を提案。高い教育効果を追求。

本施設の一番の課題は、社員研修施設として社員の安全意識を高め、研修の成果を忘れずに職場に持ち帰ることができる、最も効果の高い教育手法の追求でした。そこで、教育方法として“講師の教え方”についての提案を行い、単なる一方的な講義ではなく、講師と受講者がともに考えながら答を導くファシリテーション方式を導入。展示内容にとどまらず、最適な研修人数・研修時間、サポートツールを含めた研修プログラム全体を提案することで、教育効果の高い施設を実現できました。 研修プログラムの作成にあたっては、外部の専門家と協力。心理学の側面から教育効果を高めるストーリーを構築し、講師の養成も行いました。 展示にとどまらず、講師の養成や研修プログラムを含めたトータルなサポートができたことが、本プロジェクトの一番の特徴といえます。

「やっぱりJR九州はユニークである」--社外から高い評価を獲得。

本施設は、心理学的な側面からのストーリーづくりにより、飽きずに研修を受けられる教育効果の高い施設になったと評価されています。JR九州の社員の方々からは、期待していた以上の展示や研修プログラムに驚きが生まれ、安全に対する意識が変ったという意見をいただきました。また、関連企業や様々な業種の企業の方が多数視察に訪れ、「やっぱりJR九州はユニークである」と評価されているとのことです。 本プロジェクトにあたっては、定期的なワーキンググループ会議を開催し、JR九州の社員の皆さんとともにチームとして施設づくりを推進できました。 このようにお客さまと一体となってプロジェクトを推進できることも、私たちの特徴です。

所在地
福岡県北九州市門司区新原町8-1
分野
研修施設
設立主体
九州旅客鉄道株式会社
開館年月
2011(平成23)年1月21日
規模
展示面積265㎡
業務範囲
展示施設設計・施工

当社実績の詳細についてのお問合せ、ご相談、ご依頼は
下記問合せフォームよりお気軽にお問合せください。
担当者よりご連絡させていただきます。

「安全・防災教育」のピックアップ事例

阪神・淡路大震災 人と防災未来センター
ピックアップ事例

阪神・淡路大震災 人と防災未来センター

震災体験を自らのリスクとして受けとめる、防災の教育・研究拠点。 阪神・淡路大震災の経験と教訓を継承し、災害による被害の軽減に貢献することを目的とする研究・教育施設です。展示部門は地震の発生から復興の過程をたどる展示フロアと、防災に関する最新情報を提供する展示フロアで構成されています。1月17日 午前5時46分の地震の瞬間を再現する1.17シアターにはじまり、記録映像で構成した復興までの困難な道のりの追想、被災したさまざまな人々の視点を通して語る震災体験などの展示を通して、来館者は災害を自分自身のリスクとして受け止め、防災に関する最新情報を明日への備えとして持ち帰ります。

ページのトップへ戻る